東京上空30秒

もし人生の残り時間が明確に判明してしかも短期間例えば余命が一週間なら何でもするぞ、ブタ箱に放り込まれる前に人生のゴールに到達すると思えば気が楽なものだ・・・という話を聞いたのです。なるほど確かに色々やりそうだなこの人ならとも思ったのであります。

他人の行動規範はさておいてもし自分なら何を行うか考えて見たのです

イギリス辺りの冒険小説の愛読者であった私にとって超極悪といえるものは海賊一択なのであります、商船を卑怯な方法で襲撃して積み荷を奪うというはなはだ暴力的な経済活動を行う集団なのです

それならば自分の人生の終焉を飾るとすれば海賊船のキャプテンになるしかあるまいと思いつくのは容易な事であります、ただ非常な困難も予想されます、第一に船の免許証を取得する必要があるのですが願書を提出して受験票が到着する頃には別の船で三途の川を渡河している事でしょう、しかしながら無免許では部下に示しがつかないでしょうしナメられる可能性は非常に高くなると言わざるを得ません。キャプテンを名乗るなら見事な操船指揮は大切な事項でありますし実力に疑問符がつく口先だけで威張る上司というのは士気を低下させ反乱の勃発要因かと思われます。

と、ここまで考えたところで・・まてよアナーキーでアウトローの筆頭である海賊が顔写真を添付していて色々個人情報が書かれている受験票を持っていそいそと試験会場に向かうのだろうか?

というよりそもそも律儀に船舶免許の交付を受けてから海賊を開業するという遵法意識に富んだ精神ではエントリー以前の問題なのではないだろうか?王立海軍全員上等っすよくらいの勢いと腕っぷしを所有していなければ海賊は務まらないのでは無いだろうかという退屈な結論にたどり着いたのであります、当然私は双方共所有していません、従って廃案となりました。

そこで短期間で私ごときの力量で実行可能な悪事とはなんだろうか

思いついたBプランは五つ星高級レストランで食い逃げを実施するというかなりのトーンダウンではあります。多少の勇気と実行力と脚力そしてスムーズな電話予約を行えるコミュニケーション能力が必須となりますがついでに最後の晩餐も同時に開催出来るというお得なプランを思いついたのであります。高級食糧を胃袋に詰め込んで唖然とする支配人と「待てやこらぁ!金ぇ払っていかんかい!」と喚くウエイターを尻目にフル加速で出店するという昭和の怪盗漫画の亜流のような画面が頭に浮かんだのであります。

まぁ、、実現の可能性は極めて高いでしょうが人生の集大成が食い逃げとは物悲しいにも程があるな・・・とも思ったのであります、従って廃案です。

それでCプランです、劣化ウランを金色に塗装して貴金属買取店で換金してもらって五つ星高級レストランで優雅な食事を楽しむ・・なのですがホームセンターのチラシを閲覧したところ見当たらなったのでこれも廃案となりました。そもそも先は長くないとしても何も悪さする必要があるのだろうか?どちらかというと胸を張って旅立てるように良い事をしたほうがいいに決まっています。

そこで短期間で実行可能な善行とは何か?意外な事に思いつかないのであります、市民の義務を守るとかお年寄りに席を譲るとかは単なるマナーやルールの問題でありまして善行と言われると首をかしげます、もっともそれらを実行するのは社会の為に望ましい事ではあります。

人は住んでいる地域や時代に想像力を規定されるのではないかと仮定してこれを心理地域学というもっともらしい名前をつけてみました、元亀天正時代の忍者は偵察活動にオートバイが有効だとは夢にも思わないのと同様に現代人類には見当もつかないテクノロジーが未来世界には存在するのでしょう。ついでに言えばイギリス人の冒険家は剣と魔法の世界に小銃を持ち込むと相場が決まっています。

そういえば睡眠時の夢というのも規定されているかも知れません、そもそも夢というのは個人の持つ経験や記憶等が素材になると思われます。例えばの話ですが小さな子供が高級乗用車を道路交通法に従ってしかも正しい操作をするという夢を見る事は無いと思われます、別の理由で私も見る事はないのでしょうがそれはまた違う話になります。

そこで、悪事が駄目なら悪夢で行こうというわけなのであります。現実世界とは違うので少しばかり自由度の幅が広がりました、少し前に見た宇宙物の映画作品が記憶にうっすら残っているのでそれらを素材にした戦慄すべき悪夢とは以下のようになります。

母船から切り離された月着陸船に乗っていて訓練を受けた事が無いので使い方の解らない操縦システムが目前に存在しキャプテンは上等なウヰスキーを飲み過ぎて大トラに出来上がっていて、アポロ誘導コンピューターは素人にはちっとも分からない数字等を表示しているところを想像してみて下さい。そして現在高度は月面からおよそ80㌖で対地速度は音速の五倍、そして残り時間は約20分・・多分人類が思いつく中では最大の広がりと高さとスピードを兼ね備えた悪夢と言えるでしょう、最初にするべきは神頼みだと思われますが大変残念な事に祈りが発明された時代の最速の乗り物は多分馬なので地球上に祈りが届くには一年以上かかるかと思われます、神のご加護が光速の五倍と適当に見積もっても間に合いません、気前のいいところを出してリッターバイクにしたところでも残念ながら結果は同様となります。

翻っていい夢とは案外パッとしないようでありまして山と鳥と植物を正月に見るのが最高の組み合わせらしいです、個人的にはちっとも嬉しくはないような気がするのですが、平穏無事というのがいい夢なのだと戦乱期の人たちが考えていたのだとするとなんだか納得のような気もするのです。

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こちらは悪い現実です、クラッチアウターって木製だったのか・・・と、勘違いしてしまいそうなくらいオイルが炭化しているのであります、さらに悪い事にこれらの炭?がクランクシャフトの回転によってエンジン内部に散らかってしまい万有引力の法則に忠実に従ってエンジン下面に堆積していたのです、結果ゲージにはオイルが入っていると出るのですがドレンボルトを外しても廃油が出てこないのみならず、オイルポンプの吸い口は燻ぶった暖炉のような消し炭が充填されていたので・・重大な故障を起こしているのです。

そして、良い状態というのは普通に走って目的地に無事に到着して安全に帰宅するというものであります。

上記の無駄の多い考察から求められるのは点検やオイル交換を適時に行うのは路上を平穏に走行する為には大切だということに尽きるという事であります。

 

 

 

 

 

 

 

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