ガンダムというテレビアニメが好きなあまりにグフなんとかという主人公の敵陣営に所属するロボット兵器のプラモデルを建造しているという話を聞いたのです、理由を聞いてみたところ操縦士が強面の中年おじさんだけどとてもいい人なんだそうです（話し手は若い女性です）最終的には主人公との戦闘で任務を達成と同時に名誉の戦死を遂げられるそうなのですが独身中年男性が女性に言い寄られる条件の考察をテレビアニメから引き出すといった話では全く無くて何故にロボット兵団を指揮する将軍達は揃いも揃って戦国騎馬武者ではあるまいし正面攻撃で激突するという戦術に固執するのだろうか？私が指揮官なら発電所やベアリング工場に破壊工作を仕掛けるとか敵陣営に反政府活動を引き起こさせるとかいった謀略作戦を展開するといった賢しらな戦術論をぶち上げるといった話でもありません。

ガンダムの話の後は最近のテレビゲームの内容の説明だったのですが聞けば皆で連絡を取り合って爬虫類の親方的なモンスターに対して組織的戦闘をするそうです、私の知っている範囲で言えばデータリンクされたドラゴンクエストといった感じだと思われます、余談ですが遠い昔のゲームといえば極少数の戦闘機で宇宙からの侵略者を迎え撃つといった内容でありましてパイロットが盲腸炎になるとか戦闘機の油圧系統が整備不良で故障するとかすれば人類は即終了といういろいろと孤独かつ難易度の高いゲームが多かったかと思われます。さて、最近の世情を鑑みるに国王に悪の魔王を討伐せよという勅命を受けて危険な冒険を繰り広げるよりも王宮警護や事務係など将来設計をしやすい職業を選択する若者の方が多いのではないかと思われます。なにしろ王国領地内に徐々に浸透しつつある魔物と白兵戦を繰り広げるのはとてもスマートな生活とは言い難いので安全な王宮で勤め上げて安定した給料を貰いながら幸せな家庭を築く方が合理的生活と言えるからであります。

今回着目した点は若い男女で構成された傭兵的小部隊が魔物からの物理的打撃以外で壊滅する条件を探してみようと思いついたのです、それぞれが国家の命運をかけた戦いに参加しているという意思のもとに一致団結しているので些細なトラブルなどは乗り越えられるでしょうがただ彼らは生物であるのです。考察を進める前に少し条件を変更します。私は科学者でもなんでも無いのでそれらデーターを都合の良いように変更する事に関してはちっとも痛痒を感じません、まず消去すべき事はスタートレックのビームのような瞬間移動です、考えてみればその魔法が適用できるのであれば国王としてはなにも危険な戦地に少年達を押し出す必要もなく頭のいい魔法使いに高性能爆薬を魔王の寝室に適時に転送せよと命じれば済む話になるからです。次に消去すべきは復活の魔法でありましょうか亡国の危機においての七生報国のスローガンは解りますが実際問題として私の貧弱な想像力で補うとしても勇者の一団はやがて外観はゾンビ集団になるような気がしてしょうがないからです。という訳で変数の除去が済んだので続きます。

国王の勅命を受けてから時は過ぎ同志も揃い漸くタスクフォースと呼べる編成になったところで問題が発生します、同じ使命を帯びた女性陣の一人が妊娠したとしたらちょっとした騒ぎになると思われます。当然若い男女の集団なのでそれらの出来事が発生しないわけが無いと断言してもよいでしょう、なにしろ大小問わず同じグループ内の異性に恋心を抱くのは人類に組み込まれたオペレーティングシステムであるからです。そして王国と小さな生命の行く末をリーダーの苦悩に満ちた決断が左右するのであります。

現実的な判断としては医療機関のある一番近い町に撤退するべきであるでしょう、妊婦を連れたまま魔王のコマンドポストを強襲するという強行策は魔王に勝るとも劣らない非人道的な勇者という汚名を着せられる事になりますし本来組織的戦闘によって最大の効率をあげるチーム内にやっかみや嫉妬等の悪感情が発生して個人的戦闘の集合体となってしまい最終的には彼氏は戦闘が惨烈になった辺りで敵味方誰が放ったか分からない攻撃呪文で倒されるという可能性もあると思われます。そして当人二人だけを後送する方法も考えられますが強力な魔物の多い地域ではすぐに捕捉されて各個撃破される恐れもあるので採用は出来ません、やはり全員で転進するのが一番の安全策であり理に適っているでしょう。

ここで一人の男が登場します、穏やかな性格で神父的な恰好をしていて普段は衛生兵的な役柄なのですがその実国王直属の情報員でありまして万が一勇者がバレンシュタイン化した場合には然るべき処置をするという密命をおびた監視役なのです、そして勇者グループには身分を偽って偶然接触したかのようにして加入に成功するという有能な人物であります、休憩時間に皆には神に祈りを捧げる時間だとか適当な事を言って少し離れた処で聖書の表紙が付いた乱数表を駆使して現在の状況、勇者の決心そして進路を暗号文にして国王に発信します。

受信した国王は大臣クラスを緊急招集し対策会議を実施します。政治的理由によって侵略の意図はないという事を表明する為に正規軍の投入はしなかったという経緯があるので会議は見捨てるか救援を送るかで紛糾を極めますが国家の利益を優先すれば見捨てるのがよいという議論が優勢になりつつあります、苦悩する国王は決断を一日先送りにするでしょう、長時間に及ぶ会議に疲れ果てた大臣の一人が王宮の一室でため息と共に漏らした独り言を人間の女性に化けて召使として雇われている魔物が聞き逃すはずもなく王宮近辺の町で一般人に偽装して暮らしている機関員に平文で電話します、他愛のない話の中に「そう言えばおじさんの所に行った犬が来年子犬を産むみたい」と付け加えます。至急最優先のタグが付けられた暗号文が魔王のヘッドクオーターに発信される事でしょう。

深夜になって魔王国の大使が王宮にやってきてニコリともせずにメモを見せます内容は「最近我が領土内で活動している連中は貴国のコマンド部隊かそれともただのテロリストか所属を伝えられたし事の次第によっては不愉快な事態が発生する可能性がある」不愉快な事態とは全面戦争だと理解している外務大臣は表情が硬直します、それを見た大使はニヤリと笑みを浮かべて「顔色が優れないようですが一つ良い知らせがありましてね来年には新しい家族が出来るようですな目出度いこともあるものだ」と。

勝ち目が無い事を即座に理解した国王は決断します、和平の道を選択する事に

勇者一行やその他市民は突然やってきた平和に戸惑いつつ喜ぶことでしょう、傭兵には理由を知らされる事は決してないし知る必要も無いのでありますが契約解除通知とちょっとした違約金をを見た勇者達は酒場で底抜けの大騒ぎを繰り広げる中、件の情報員は次の任務の情報と真新しい暗号システムを通行人を装ったエージェントに渡された出来事でおぼろげに何があったか理解したがすぐに忘れる事にして飲み騒ぎに加わりながら明日の連絡事項は彼らに関しては報告すべき件は何もなしだなと心の中で思う事でしょう。

現実逃避として思いつきを文章にするという実験をしてみたところ無駄過ぎる長文となりしかも最初の命題とはかなり異なる結果になってしまいまいしたが、未来を予測する事は困難であるといったところでしょうか。ついでながら私の前に指揮官が現れたとしたらややこしい仕事があるのならパソコンの前から離れてとっとと手を動かせと厳命することでありましょう。

夜間になって突然野良猫がやって来て何かよこせといった表情だったので施しを与える神父のような鷹揚な気持ちで私の晩御飯の主菜である魚の切り身を置いてみたのですが予測に反して匂いを嗅いだだけで回れ右をして出ていきました。私の晩御飯は野良猫でさえまたぐような品では無いと言い切れるので考えられる考察としては猫は魚の切り身を好まないという事だと思われます。流石にバイクと全く関係無い話ばかりになりましたので次回予告は昭和のエンジンの登場です（多分・・・）、そういえばガンダムとかのパワーユニットってどんなものかちょっと興味があったりします。