ライバルは電動だった

最近私のアクアリウムに小さな海老が配属されました、任務は細い糸状の水草を始末することなのですが大変残念な事に私の期待に反してターゲットである水草には目もくれずに水槽の底に堆積された汚泥状の上でカサカサ忙しそうに動いているだけなのです。たかが小エビごときを指揮監督出来ぬ私も情けなくもあるのですがそれ以上にネット上で知りえた生半可な情報に左右されて意味の無い動員を決行した私の決断に恥じ入ったしだいなのでありますが失敗だったと結論を出すのはまだ早いのかも知れません、なぜならこの作戦に投入されたエビは少数なので目立った功績をあげていないだけであって増援を逐次投入していけばひょっとしたら展開も変わってくる可能性もまだ十分あるからであります。それなら最初から大量に投入すればいいのでは?という疑問も出てくるのですが慎重な性格だと自認している私にとって恐れている事はメダカや名も知らない小魚達の生態系に悪影響を及ぼす可能性を捨て切れなかったのであります。実際に同居させてみるとなんとなくですが魚たちのほうがエラそうに振舞っているように観察されますがこれもエビが少数なので多少は新参者として遠慮しているだけなのかも知れません。さらに双方が相手をどのように認識しているか知る由もないのですが興味の尽きない事であります。その他に小さな貝も存在しているのですが最古参の彼らは目立たない存在ながら水槽内で何かの役に立っていると思われます。

さて、最近結婚した青年から一人でツーリングに行けるオートバイが欲しいが特にこれといった車種が思いつかないので予算はこれくらいで出来ればオフロードも走行出来る車両を選んで欲しいといった連絡が入ったのです、バイクなんか買ってる場合かと言いそうになったのではありますが多少は不穏な空気を感じつつ新婚家庭の経済に打撃を加えることの無いそれでいて大型二輪免許を所有しているライダーが乗っても楽しめてさらにオフロードも限定付きで走行出来る車両の探索を始めたのであります。そこで第一候補として適切なのはスズキのボルティー系はどうだろうかと思いついたのです。多分多数のスポーツバイク好きはそのようなシケたバイクを提示するとはなかなかの勇敢さだな等と発言するかも知れませんが実はこのバイクとても良く出来ています、初心者からベテランまで誰もが乗れば解る素直な操縦性や平和なエンジンでありながら思ったよりスピードが出せてフラットダートなら普通に走れる汎用性に長距離を走っても下半身を攻撃しない分厚いシート等優秀な機械であります。もっともここからが重要なのでありますがオートバイとは趣味性の強い乗り物なので私が優秀性を強弁したところで乗り手にとっては相性の合わないオートバイとは長くは楽しめないのであります。それどころか不良在庫をチャーチル首相並みの雄弁で最高の品のように錯覚させられて押し付けられたと怨嗟の気持ちが発生するのは目に見えない大損害となりえます。そこでもう少しヒントが欲しいと言ったところオフロードかモタードがいいかもと返答がありました。それならば答えは簡単であります、ヤマハのセローをお勧めしようかと画策しているのです。何故セローなのか?それは昔から存在して今もあるという事実に他なりません、私好みの絶大な信頼性があり長年に亘って改善されてきたという良い意味での枯れた技術の集大成でありそれを可能にした基本設計の優秀さと目的の明快さなのであります。他のメーカーでは枢軸国の新兵器のような耳目を引く高性能な新型が登場したりしますが戦局を覆すことも無く埋没していく車両も多い中で(それらもメカ的にはとても面白いのです)平凡とも見えるスペックで長期間に多数を生産して一方ではハイパースペックな品の研究を怠らないというイギリス的な方策が個人的に勝利の秘訣なのかなぁ等と思ったりもするのです。とはいえオートバイは所有してみないと良し悪しが解らないのが難しい所ではあります。そしてそれは人生にも適用できないかと想像を伸ばしてみるのも面白いかも知れません、私の知る範囲においては生物は直線で構成されていません、従って職人の製造する金型のようにぴったり一致するということは無いと思われます、という事は新婚生活という人生初の劇的な共同作業は精神に余裕が無いとうまく噛み合わないおそれが多分にあるでしょう。さらに本来そうであるべきなのですが男女の性差も昔と違って法律上は無いというのが皮肉な事に生活に影を落としていると思われます、どちらかがパートナーの指揮下にいる事を容認出来れば上手く行くでしょうがそうでない人も多いと思われるからであります。一番無難で上手く行く方法は権力者の正攻法である政略結婚なのでありますがその作戦に参加できる人は極少数である以上参考にはなり得ません。

そこで現代社会で有効な結婚生活の新案を考えてみるのも面白いかも知れません。今までの方法はサッチウイービング式とも言うべき近距離で支援し合うエレメントでありまして独身者に対しての攻防にはとても有効ではありましたが現代人の性格や生活習慣さらに電子通信技術の発達によってもはや時代遅れの感があると思われますので新たな方法論としてサッチ少佐さんの基本を踏まえた上で出来上がったコンバットスプレッド式が良いと思われます。1~2ノーティカルマイル離れてお互いを支援し合いながら生活するといったライフスタイルであります。それはただの別居ではないか!とお叱りの言葉も出てくるかも知れませんがそのようなマイナス言霊ではなくお互いを違う人格を持った人間だと認識して生活習慣の違いを距離で緩和するのも長く続ける共同作業の一つと言うことも出来るでしょう。そしてそこで必要になってくる物があります、それは近距離用の乗り物です自転車でも十分な行動半径内ではありますが・・・

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この近未来のハンドガンのような物はスズキチョイノリのエンジンです。多分皆が間違った運用をしたせいで評価がいまいちな不運なスクーターでした。この車両の本来の対抗馬は電動自転車でありまして作戦行動半径もそれに準じた距離だったのですが何故か値段の安い原付と認識されて勝ち目の無い通勤競争に動員される羽目になったのであります。ただ上記のような新しい生活の連絡機として使用すればとても有効な活躍が出来るでしょう。ちょっとした買い物や緊急時の支援要請があればいつでも出動出来てさらにランニングコストも安いのであります。ところがその前に大切な事があります、離れていても信頼できる相手を探し出せなければこれらの冗長過ぎる駄文は全て水泡に帰するという危惧にようやく気が付いた次第であります。

 

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